シャンプーの仕方や正しいヘアケアの方法って、あまり教わる機会がないと思いませんか?
そもそも意外と知らない頭皮と髪の特徴を知ることから、美髪習慣は始まるのかもしれません。
そこでヘアケアのプロに、気になることをたくさん聞いてきました!
目次
-「潤いを保ちながら汚れを落とすこと」が頭皮ケアの基本
頭皮は身体のなかで1番皮脂腺が多く、毛根の数は生まれた時から決まっていて、個人差がありますが平均して10万本ほどと言われています。
男女では、男性の方が皮脂も多く、スタイリング剤を使っていると汚れやすくはあります。20代など若い世代と比べると30代40代と年々歳を重ねるごとに、肌と同じように頭皮も水分量、皮脂量、弾力、潤いは低下していきます。
髪に関係が深い女性ホルモンも減少するのでボリュームが低下したり、毛穴が変形し髪のうねりに繋がることもあります。
一方でストレスや食生活が乱れる事でホルモンバランスが乱れ(男性ホルモンが増え)皮脂が出やすくなることも。
だから美髪のためには頭皮ケアがとても大切です。なかでも「潤いを保ちながら汚れを落とすこと」が頭皮ケアの基本となります。
-9割くらいの方は皮脂や角質が詰まっていたり、蓄積汚れが…。
サロンで頭皮チェックをしていると、ほとんどの方は頭皮の汚れが落ち切っていません。私が見るなかで9割くらいの方は皮脂や角質が詰まっていたり、蓄積汚れがあります。その場合きちんと洗えてないのか、自分の頭皮の状態に合った洗浄成分を選べていない可能性が。
ケアとしては他にもマッサージで頭皮を柔らかく、血流を促すことや頭皮クレンジングもよいと思います。また頭皮そのもののケアと同じくらい、インナーケアも大切なので、食事や運動も意識するのが理想的ですね。
-はい。結構違っていて、それぞれ特徴があります。
春のケアからご紹介します。
三寒四温と言われるように、春は気温の変化が激しく頭皮が乾燥したり、逆にベタついたり、バランスが乱れやすい季節。頭皮のバリア機能が低下した状態に、紫外線・花粉などの刺激で頭皮や髪のトラブル(炎症、かゆみ、ぱさつきなど)がでやすいです。
また季節の変わり目や新学期など、ストレスを受けることも多く、自律神経の乱れが髪に影響を及ぼすことも。
対策方法はこれ!
潤いを保ちつつ、しっかり汚れを落とすこと。ブラッシングもこまめにすると◎。お風呂の前のブラッシングも汚れを落としやすくなります。バリア機能を高めるためには「保湿ケア」と「食事」も大切。
食事で言うと、髪はタンパク質で出来ているので、良質なタンパク質や脂質(オメガ3脂肪酸)、ビタミン類(彩りのよい野菜類でビタミンABCE摂取)で肌のバリア機能も高めることを意識してみては?
-夏のケアで大切なのは、紫外線から髪を守ること。
紫外線によって、頭皮も髪もダメージを受けやすい季節です。
また皮脂分泌も多くなります。紫外線で酸化した皮脂は毛穴に詰まるとニオイやベタつきの原因に。
夏でも、冷房や冷たい食事、シャワーのみで過ごすなどで身体が冷えている方も多いのですが、血流が悪くなると栄養が頭皮まで行き届きにくい状態にもなります。
対策方法はこれ!
まずは紫外線から髪を守ることが大切です。皮脂分泌が多くなるので、シャンプーもしっかり丁寧に行うとよいですね。また可能なら週に1〜2回ほど頭皮クレンジングをするのもおすすめです。髪にはトリートメントを使うのもいいと思います。
食事面では、抗酸化作用の高い食事を意識するとよく、冷たい食事をなるべく避けて、バランスのよい内容にしたいですね。胃腸の調子を整えるトウモロコシなど甘味野菜や、消化を促す、しそ・みょうがなど薬味も取り入れてみてください。
-秋は、ダメージを受けた頭皮と髪をいたわることがポイント。
夏の紫外線ダメージの蓄積が現れたり、夏の疲れ・季節の変わり目により自律神経も乱れやすい時期。一般的に抜け毛が増えやすくなると言われています。
(日ごろから1日50本〜80本ほど髪は抜けると言われていますが、秋は人によって日ごろの倍の抜け毛が起こることも。※個人差があります)
また夏の紫外線を受けた頭皮は光老化といって、硬く、弾力がなくなっていたり、夏同様に酸化した皮脂が毛穴に詰まっていることも多く、うねりや細い毛の原因になることも。
対策方法はこれ!
頭皮の皮脂詰まりを落とし、潤いを与えるケアを。シャンプー前のブラッシングや頭皮クレンジング、シャンプー中の頭皮マッサージなどで、ダメージを受けた頭皮と髪をいたわりましょう。
もちろん、栄養のある食事などインナーケアも大切です。タンパク質をベースに、ビタミンやミネラルを摂りましょう。肌の潤いのためにレンコン・長芋・里芋などの食材もおすすめです。また運動の秋とも言いますので、適度に体を動かしてみましょう。
-冬は髪にも保湿ケアを。
気温や湿度の低下など、何といっても乾燥しやすい季節。身体の新陳代謝が低下したり、冷えなどで血流が悪くなると髪へ栄養が届きにくくもなります。するとパサついた、ハリコシのない髪に繋がります。
対策方法はこれ!
アミノ酸系などマイルドな洗浄成分のシャンプーで頭皮を洗い、髪にも保湿ケアをしてあげましょう。頭皮の乾燥が気になる場合は保湿美容液などプラスのケアや頭皮マッサージもおすすめです。
半身浴や運動、食事で内側から身体を温めることも意識したいですね。食事ではニンニク・ショウガなど身体を温めるスパイスや辛味野菜を取り入れたり、海藻・ゴマなどもおすすめです。とくに女性はミネラルが不足しやすいので、意識的に食事で補いましょう。
-冬はフケやかゆみの悩みもありますが…
フケには大きくわけて「乾燥性」と「脂漏性」の2種類があり、冬にでるフケの場合は乾燥が原因のものが多いかと思います。頭皮が乾燥して肌サイクルが乱れると、角質が溜まってしまい、それがフケとなって出てきてしまうのです。きちんと洗い流せていないと毛穴詰まりの原因にもなります。冬のかゆみも同じく乾燥が原因のことが多く、肌のバリア機能が低下しているのかもしれません。
対策はやはり保湿ですが、フケのお悩みには頭皮クレンジングもいいと思います。
-頭皮ケアは最低でも5〜6か月は継続することがおすすめ
ヘアサイクルとは、髪が生まれてから抜け落ちるまでの周期のことを指しています。
女性は4〜6年、男性は3〜5年くらい、1本の髪につきこのヘアサイクルがあると言われています。
髪の成長期、抜け落ちる準備をする退行期、活動が止まる休止期と3段階にわかれていて、休止期は3〜4か月ほど。髪が抜けて次の髪が生えるまでにも少し期間が必要なんです。
このように髪が生えて、育つまでにはすごく時間がかかるので、頭皮ケアは最低でも5〜6か月は継続されることをおすすめします。
約半年すると休止期の期間も含めて土台を整えることができ、新しい髪も生えてくるので、根元の髪はふんわりと健やかな状態になるのを感じられると思います。
※個人差があります。効果を保証するものではありません。
-頭皮クレンジングはとてもおすすめです。
私自身も習慣になっていますよ。
2010年ごろからおすすめしていて、サロンのケアにも取り入れています。
皮脂はオイルで馴染ませると浮きやすくなるので、オイルを使ったクレンジングは毛穴に詰まった皮脂汚れを落とすのに有効です。特に皮脂が詰まりやすい夏〜秋もよいですし、乾燥しやすい冬はオイルクレンジングをすると潤いも与えられるので頭皮や髪が乾燥している方におすすめです。
夏など皮脂が出やすいときは週に2回くらい、乾燥肌の方は週に1回くらいを目安に、脂漏性の頭皮でも乾燥性の頭皮でも、いろんなタイプの方に取り入れてみて欲しい習慣です。オイルクレンジングの際は、頭皮に負担にならない優しいものを選ぶとよいと思います。スタイリング用の、髪をコーティングするオイルとは使い分けましょう。
-お肌をいたわるのと同じように頭皮や髪を扱いましょう。
「髪が乾燥する」「髪が広がりやすい」という悩みについて原因はダメージによるものが多く、ダメージの原因は、「熱」「摩擦」「紫外線」などがあげられます。
熱や摩擦でいうと、ドライヤーのかけ方や、タオルドライの仕方も気をつけたいところです。
濡れた髪は特に摩擦にも弱いので、お肌をいたわるのと同じように頭皮や髪を扱いましょう。ドライヤーは上から下に風を当てて、頭皮から乾かすように意識しましょう。髪が8割乾いたくらいで冷風に切り替えてキューティクルを閉じるとツヤもでます。
シャワーはぬるま湯(37〜38度)がよいので、厳密に温度が分からなくても、少しぬるいかな?と感じるくらいの温度を目安にしましょう。
湯船につかって代謝を上げたり血流を良くするのも大切です。
-美髪のためにはよい血流と、栄養のある血液が必要です。
ハリコシのある髪にするには、これから育つ髪のために頭皮ケアとインナーケアを大事にしましょう。根元からふんわりした健やかな髪を育てるためには、頭皮がふっくらしている状態が理想的です。
全身を巡った血液が最後に頭にいき、髪の栄養が届くので、美髪のためには
それだけよい血流と、栄養のある血液が必要です。だから全身で考えてケアをすることが大切で、適度な運動や、シャワーで済ませがちなところを湯船につかって疲れをとるのも大事なんですよね。
実は、髪の悩みをお持ちの方は「肩こり・冷え」のお悩みがある方が多くいらっしゃいます。
血流が悪い状態なので、栄養が頭皮にも届きにくくなっているのです。
また血流が悪くなる理由の1つに「酸欠」というのもあって、とくに最近はスマホやPCを見ている時間も多いので、集中していると呼吸が浅くなっていたりするんですね。
ぜひ気がついたときには深呼吸をしてみましょう。
私は基本的にはシャンプーは手で行っていて、自分の手で頭皮を触ることで頭皮チェックをしたり、「手当」ともいうくらいですから、自分の手をつかうことは大切だと思っています。そこに時々シャンプーブラシを活用するのもいいと思います。ネイルをされている方などは特にブラシの使用はいいですね。
-頭皮も肌も乾燥しやすくデリケート。
小さなお子さん(小学校低学年くらいまで)は頭皮も肌も乾燥しやすくデリケートなので、
弱酸性やアミノ酸などマイルドなシャンプーを使うのがおすすめです。
その他、汚れをきちんと落とすことなど基本の頭皮ケアは、お子さんも同様に意識してくださいね。
-実は朝のシャンプーはあまりおすすめできません。
生活リズムは人ぞれぞれではありますが、一般的に髪は夜の寝ている間に育つので、夜のうちにお風呂に入り、清潔に土台を整えるのが理想的。朝は何かと忙しく、時間がない中でのシャンプーは雑になってしまったり、汚れを落としきれないことも多いと思います。
また適度な皮脂は頭皮を守る役割がありますが、頭を洗って皮脂を洗い流すと、次に新しく皮脂が出るまでは3時間ほどかかると言われています。
朝にシャンプーをして、皮脂が出る前に外出をすると紫外線ダメージなど頭皮にダイレクトに刺激や負担がかかってしまうことも。皮脂や潤いは落とし過ぎることもよくないので、基本的にはシャンプーは1日1回がおすすめです。
インタビュースタッフのあとがき
齊藤あきさん、さまざまなご質問にお答えいただきありがとうございました!
初めて知ったことも多く、勉強になりました。
外側だけではなく内側からのケアも含めて、まずはできることから取り入れてみようと思います。